SSDとHDDの違いは何でしょうか。SSDとHDDは物理的仕様は似ていますが、データの格納方法が大きく異なります。それぞれのドライブに長所と短所があるため、どちらのタイプが最適かは、パソコンの使用目的によって決まります。これから、各ストレージドライブの仕組みと、それらがどう役立つかについて学びましょう。

HDD

HDDを支える技術には、高い認知度と優れた実績があります。HDDは、誕生から50年以上の間に着実に、ストレージ容量を増大し、物理的サイズを縮小してきました。HDDは、回転するディスク(プラッター)によってデータの読み込みと書き込みを行います。

ハードディスク

ハードディスクの機能方法

HDDは、1つまたは複数の磁気プラッター、各プラッターに対する読み込み/書き込みヘッド付きアクチュエータアーム、プラッターを回転させてアームを動かすためのモーターで構成されています。さらにI/Oコントローラーとファームウェアも搭載されており、これによってハードウェアに動作を指示し、残りのパソコンとやり取りを行います。

各プラッターは、トラックと呼ばれる同心円状の領域でできています。トラックはセクタと呼ばれる論理ユニットに分割されています。各トラックとセクタの数に応じた固有のアドレスを使用して、データの整理と場所の特定が行われます。データは一番近い利用可能領域に書き込まれます。書き込まれる前にデータを処理するアルゴリズムにより、ファームウェアはエラーを検出し修正します。

プラッターは事前設定速度(一般消費者用パソコンの場合4200~7200 rpm)で回転します。これらの速度は読み込み/書き込みの速度に相関しています。事前設定速度が速いほど、ハードディスクがデータを読み書きする速度が上がります。

読み込みと書き込み

ユーザーがパソコンでデータの取得や更新を試みると、I/Oコントローラーは該当データの場所をアクチュエータアームに伝えます。すると、読み込み/書き込みヘッドが各アドレスにおける電荷の存在または不在を読み込み、データを集めます。要求がデータの更新である場合、読み込み/書き込みヘッドは影響を受けるトラックとセクタの電荷を変更します。

プラッターの回転時間や、アクチュエータアームが正しいトラックやセクタを見つけるのにかかる時間は、レイテンシーと呼ばれます。

短所

HDDの短所は、データの読み込みと書き込みに機械部品が使用されており、物理的にデータを見つけて取得するため、電子的にデータを見つけて取得するよりも時間がかかる点です。機械部品は、手荒く扱われたり落とされたりすると、スキップや故障が生じることがあります。これはノートパソコンにとって顕著な問題であり、デスクトップではあまり問題になりません。また、HDDはSSDより重量があり、電力も多く消費します。

メリット

HDDの長所は、実績ある技術であること、そして同じストレージ容量で比較すると、たいていSSDよりも安価であることです。現在、SSDにはない大容量を誇るHDDも販売されています。

SSD(ソリッドステートドライブ)

SSDはフラッシュメモリを使用して、より優れたパフォーマンスと耐久性を発揮します。ハードディスクには、磁気ヘッドやスピンドル、回転盤など多数の小さな可動部分が存在します。これらは故障しやすく、大切なデータを喪失する原因にもなりかねません。一方、可動部分がないSSDは、耐久性が高く、発熱量が少なく、低消費電力です。

Crucial SSDとマザーボード

NANDの仕組み

SSDとUSBドライブは同じ基本技術を用いているため、SSDは大型のUSBドライブとして捉えることができます。SSDで使用されているNAND技術は、一種のフラッシュメモリです。最下層レベルで、フローティングゲートトランジスターが電荷の存在(または不在)を記録し、データを格納します。ゲートは格子状に並んでおり、そこからさらにブロック状に整理されます。ブロックのサイズはさまざまですが、格子を構成する各列はページと呼ばれます。

SSDコントローラーは、データの位置を追跡するなど、さまざまな機能を実行します。

読み込みと書き込み

SSDの場合、データの更新はこれより少し複雑です。データの一部が更新されると、ブロック内のすべてのデータが更新されます。古いブロック上のデータが別のブロックにコピーされてから、ブロックが消去され、元のデータに変更を加えたものが、新しいブロックに再度書き込まれます。

ユーザーがパソコンでデータの取得や更新を試みると、SSDコントローラーは要求されたデータのアドレスを確認し、電荷ステータスを読み込みます。

ドライブのアイドル時、ガベージコレクションと呼ばれるプロセスによって、古いブロックの情報を確実に消去し、空きブロックとして再度書き込み可能にする処理が行われます。

ブロックを消去するときに、特定のデータの再書き込みをスキップするようSSDに伝えるTRIM(トリム)というプロセスもあります。ブロックの書き換え回数には制限があるため、TRIMはストレージドライブの早期損耗を防ぐ重要なプロセスとなります。

さらにドライブの損耗を防ぐため、ドライブ内の各ブロックの読み込み/書き込みプロセスの量を均等にするアルゴリズムもあります。このプロセスはウェアレベリングと呼ばれ、ドライブの動作中は自動的に実行されます。

読み込み/書き込みプロセスはデータの移行が必要であるため、SSDは通常、ストレージがオーバープロビジョニングされています。つまりオペレーティングシステムに報告されず、ユーザーもアクセスできない特定の量のドライブが常に用意されています。これにより、ドライブが全体的なストレージ容量に影響を及ぼすことなく、アイテムを移動したり削除したりする余地を確保できます。

短所

SSDは新しい技術であるため、HDDよりも高額です。HDDに近づきつつあるとはいっても、大容量のSSDを見つけるのは難しいものです。HDDとSSDの容量の差は2.5倍を超えることもあります。

メリット

SSDは、より短い時間でゲーム、アプリケーション、動画を読み込みます。使用しているテクノロジーにより、SSDは軽量で、移動や落下への耐性がより高くなっています。また、SSDは省エネで、パソコン実行時の発熱を抑えます。

Crucial SSDの比較はこちらをご覧ください。

決断

ハードディスクとSSDの違いは、データの格納と取得に関わるテクノロジーにあります。以下の表は、その違いの一部をまとめたものです。

HDDはSSDに比べ安価なので多くの記憶領域を確保できます。一方SSDは、高速かつ軽量で、耐久性が高く、省エネです。どちらのストレージドライブが自分の条件に合うかを見極める必要があります。

SSDのメリットに関する詳細は、こちらをご覧ください。

  コスト 速度 耐久性 最大容量 エネルギー効率
HDD 安価 遅い 低い 10TB 低い
SSD 高価 速い 高い 4TB 高い

SSDとHDDを比較:どちらが適しているか

SSDとHDDの違いは何でしょうか。SSDとHDDは物理的仕様は似ていますが、データの格納方法が大きく異なります。それぞれのドライブに長所と短所があるため、どちらのタイプが最適かは、パソコンの使用目的によって決まります。Micronのガイドを利用して、各ストレージドライブの仕組みと、それらがどう役立つかについて学びましょう。

HDD

HDDを支える技術には、高い認知度と優れた実績があります。HDDは、誕生から50年以上の間に着実に、ストレージ容量を増大し、物理的サイズを縮小してきました。HDDは、回転するディスク(プラッター)によってデータの読み取りと書き込みを行います。

HDDの回転盤(プラッター)とアクチュエーターアーム

ハードドライブの機能方法

HDDは、1つまたは複数の磁気プラッター、各プラッターに対する読み取り/書き込みヘッド付きアクチュエータアーム、プラッターを回転させてアームを動かすためのモーターで構成されています。さらにI/Oコントローラとファームウェアも搭載されており、これによってハードウェアに動作を指示し、残りのパソコンとやり取りを行います。

各プラッターは、トラックと呼ばれる同心円状の領域でできています。トラックはセクタと呼ばれる論理ユニットに分割されています。各トラックとセクタの数に応じた固有のアドレスを使用して、データの整理と場所の特定が行われます。データは一番近い利用可能領域に書き込まれます。書き込まれる前にデータを処理するアルゴリズムにより、ファームウェアはエラーを検出し修正します。

プラッターは事前設定速度(一般消費者用パソコンの場合4200~7200 rpm)で回転します。これらの速度は読み取り/書き込みの速度に相関しています。事前設定速度が速いほど、ハードディスクがデータを読み書きする速度が上がります。

読み取りと書き込み

ユーザーがパソコンでデータの取得や更新を試みると、I/Oコントローラは該当データの場所をアクチュエータアームに伝えます。すると、読み取り/書き込みヘッドが各アドレスにおける電荷の存在または不在を読み取り、データを集めます。要求がデータの更新である場合、読み取り/書き込みヘッドは影響を受けるトラックとセクタの電荷を変更します。

プラッターの回転時間や、アクチュエータアームが正しいトラックやセクタを見つけるのにかかる時間は、レイテンシーと呼ばれます。

短所

HDDの短所は、データの読み取りと書き込みに機械部品が使用されており、物理的にデータを見つけて取得するため、電子的にデータを見つけて取得するよりも時間がかかる点です。機械部品は、手荒く扱われたり落とされたりすると、スキップや故障が生じることがあります。これはノートブックにとって顕著な問題であり、デスクトップではあまり問題になりません。また、HDDはSSDより重量があり、電力も多く消費します。

メリット

HDDの長所は、実績ある技術であること、そして同じストレージ容量で比較すると、たいていSSDよりも安価であることです。現在、SSDにはない大容量を誇るHDDも販売されています。

SSD

SSDは新しい技術ですが、急速に進化しており、年を追うごとに大容量化が進んでいます。SSDは、不揮発性メモリの電子ストレージに基づいているため、パソコンの電源を落としてもデータが消えることはありません。

Crucial SSDとマザーボード

NANDの仕組み

SSDとUSBドライブは同じ基本技術を用いているため、SSDは大型のUSBドライブとして捉えることができます。SSDで使用されているNAND技術は、一種のフラッシュメモリです。最下層レベルで、フローティングゲートトランジスタが電荷の存在(または不在)を記録し、データを格納します。ゲートは格子状に並んでおり、そこからさらにブロック状に整理されます。ブロックのサイズはさまざまですが、格子を構成する各列はページと呼ばれます。

SSDコントローラは、データの位置を追跡するなど、さまざまな機能を実行します。

読み取りと書き込み

ユーザーがパソコンでデータの取得や更新を試みると、SSDコントローラは要求されたデータのアドレスを確認し、電荷ステータスを読み取ります。

SSDの場合、データの更新はこれより少し複雑です。データの一部が更新されると、ブロック内のすべてのデータが更新されます。古いブロック上のデータが別のブロックにコピーされてから、ブロックが消去され、元のデータに変更を加えたものが、新しいブロックに再度書き込まれます。

ドライブのアイドル時、ガベージコレクションと呼ばれるプロセスによって、古いブロックの情報を確実に消去し、空きブロックとして再度書き込み可能にする処理が行われます。

ブロックを消去するときに、特定のデータの再書き込みをスキップするようSSDに伝えるTRIM(トリム)というプロセスもあります。ブロックの書き換え回数には制限があるため、TRIMはストレージドライブの早期損耗を防ぐ重要なプロセスとなります。

さらにドライブの損耗を防ぐため、ドライブ内の各ブロックの読み取り/書き込みプロセスの量を均等にするアルゴリズムもあります。このプロセスはウェアレベリングと呼ばれ、ドライブの動作中は自動的に実行されます。

読み取り/書き込みプロセスはデータの移行が必要であるため、SSDは通常、ストレージがオーバープロビジョニングされています。つまりオペレーティングシステムに報告されず、ユーザーもアクセスできない特定の量のドライブが常に用意されています。これにより、ドライブが全体的なストレージ容量に影響を及ぼすことなく、アイテムを移動したり削除したりする余地を確保できます。

短所

SSDは新しい技術であるため、HDDよりも高額です。HDDに近づきつつあるとはいっても、大容量のSSDを見つけるのは難しいものです。HDDとSSDの容量の差は2.5倍を超えることもあります。

メリット

SSDは、より短い時間でゲーム、アプリケーション、動画を読み込みます。使用しているテクノロジーにより、SSDは軽量で、移動や落下への耐性がより高くなっています。また、SSDは省エネで、使用中のパソコンの温度を低く保ちます。

決断

ハードディスクとSSDの違いは、データの格納と取得に関わるテクノロジーにあります。以下の表は、その違いの一部をまとめたものです。

HDDは経済的で、多くのストレージスペースを確保できます。一方SSDは、高速かつ軽量で、耐久性が高く、省エネです。どちらのストレージドライブが自分の条件に合うかを見極める必要があります。

SSDのメリットに関する詳細は、こちらをご覧ください。

  コスト 速度 耐久性 最大容量 エネルギー効率
HDD 安価 遅い 耐久性が低い 10TB 電力消費が多い
SSD 高価 速い 耐久性の向上 4TB 電力消費が少ない


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