コンピューターメモリとも呼ばれるRAMは、デスクトップ、ノートパソコン、MACに不可欠なコンポーネントです。
RAMの機能、RAMがコンピューターで動作する仕組みを説明し、RAMをアップグレードすることでパフォーマンス向上を図れる可能性がある理由をご紹介します。続きをお読みください。
RAMとは
RAMという広く使用されている略語は、Random Access Memory(ランダムアクセスメモリ)のことで、これはアプリケーションが使用するデータを短期的に保存しておくコンピューター上の一時的な記憶領域のことです。ハードディスクやSSDにデータを書き込む場合と異なり、RAMに保存することで、ほぼ瞬時にデータにアクセスして読み込むことが可能になります。
RAMの機能
RAMを使用すると、アプリケーションの読み込み、インターネットの閲覧、スプレッドシートの編集、最新ゲームのプレイなど、コンピューターで日常的なタスクのほとんどを実行できるようになります。メモリを使用することで、タスクをすばやく切り替え、各タスクの状態も記憶しておくことができます。一般的に、メモリ容量が多いほどマルチタスク環境に好適と言えます。
この仕組みを説明します。例えば、コンピューターの電源を入れ、メールをチェックし、スプレッドシートを編集した場合、この段階ですでにさまざまな形でメモリを使用しています。
- スプレッドシートプログラムやメールなどのアプリケーションの読み込みや実行
- メールの削除やスプレッドシートの編集などのコマンドへの応答
- 開いているプログラム間の切り替え(スプレッドシートとメールの間の行き来など)
言ってみれば、メモリは作業机のようなものです。作業机があれば、同時にさまざまなプロジェクトを作業できます。机が大きいほど、多くの資料、フォルダー、タスクを一度に広げることができます。それによって情報にすばやく簡単にアクセスでき、ファイル棚(ストレージドライブ)に探しに行く必要がありません。
RAMが重要な理由
システムの速度と性能は、搭載されているRAMの容量と直接相関しています。システムのRAMの容量が十分でないと、特にマルチタスクを実行しようとしているときや、複数のプログラムやアプリケーションを同時に開いているときに、動作が遅くなることがあります。
プログラムが反応しない、読み込みが遅い、全般的にコンピューターが遅いといった不満を日頃から感じている場合は、RAMの容量不足が原因かもしれません。お使いのコンピューターのメモリを増やす必要があるかどうかは、さまざまな方法で確認でき、デスクトップやノートパソコンのRAMを自分でアップグレードするのも簡単です。
ユーザーが互換性のないメモリを取り付けてしまうことのないように、モジュールはメモリテクノロジーの世代ごとに物理的に異なる特徴を備えています。これらの物理的な違いは業界標準であるため、メモリを購入する際はマザーボードまたは他のコンポーネントとの互換性があることを確認してください。
RAMのパフォーマンスは、速度とレイテンシーの関係によって決まります。基本的に、レイテンシーとは、コマンドが入力されてからデータが使用できるようになるまでの遅延時間を指します。RAMの速度とレイテンシーの意味を理解しておけば、自分のニーズに合った適切なRAMを選んでシステムに取り付けることができます。
RAMにはどのような種類がありますか?
コンピューターシステムの重要なコンポーネントのひとつであるコンピューターRAMは、プロセッサーがデータを一時的に保存してすばやくアクセスできるようにする揮発性ストレージを提供します。RAMにはいくつかの種類があり、それぞれ独自の特性とユースケースがあります。
ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)
ダイナミックRAMはコンピューターで使用される最も一般的なRAMの一種で、データの各ビットを、集積回路内の独立したコンデンサーに格納します。ただし、DRAMはデータを保持するために常に更新する必要があり、そのため他のタイプよりも速度が遅くなることがあります。
スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)
SRAMはDRAMよりも高速であり、フリップフロップ回路を使って各ビットを格納するため、常に更新する必要がありません。アクセス時間を短縮できるSRAMはキャッシュメモリとして使われることが多く、使用頻度の高い指示やデータにすばやくアクセスできるようにします。
シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)
SDRAMはシステムのクロック速度に同期してデータのより効率的な転送を可能にします。この同期によりデータの安定した流れが確保されるため、情報へのアクセスの遅れを減らすことができます。ダブルデータレート(DDR)SDRAMなど、様々な種類のSDRAMの進化によってデータ転送速度が向上しています。
ダブルデータレート(DDR)シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ
DDR SDRAMはクロック信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの両方でデータを転送するため、データ転送レートが実質的に従来のSDRAMの2倍になります。DDR RAMは(DDR3からDDR4、DDR5へと)世代を経るごとにパフォーマンスと効率性が向上しています。
グラフィックダブルデータレート(GDDR)シンクロナスグラフィックランダムアクセスメモリ
画像処理装置(GPU)に特化して設計されたGDDR SDRAMは、ゲームや動画のレンダリングなどのグラフィック集中型アプリケーションの要求に応じられるよう、高速データ転送に重点を置いています。DDR RAMと同様に、GDDRも世代を経るごとにメモリ帯域幅とパフォーマンスが向上しています。
不揮発性デュアルインラインメモリモジュール(NVDIMM)
ほとんどのRAMは揮発性で、電源を切るとデータが失われますが、NVDIMMは従来のRAMの速度とストレージの不揮発性を両立させています。システムの電源を切ってもデータが失われないため、不揮発性メモリが不可欠なアプリケーションに適しています。
RAMとROMの比較
読み取り専用メモリ(一般にROMとして知られる)は不揮発性コンピューターメモリの一種で、保存されたデータは電源を切っても失われることはありません。その名が示すように、ROMの内容は通常「読み取り専用」で、変更や上書きは困難です。ROMは、ファームウェアや基本入出力システム/統合拡張ファームウェアインターフェース(BIOS/UEFI)の格納、およびコンピューターの初期起動やハードウェアコンポーネントの基本的な機能に不可欠なその他のシステム指示の格納に使用されます。RAMは揮発性メモリであり、電源が切れたり中断されたりすると、保存されていたデータが失われます。この特性はハードウェアレベルでのRAMの機能によるものです。RAMは高速読み取り/書き込みアクセスのためのメモリであるため、コンピューターのプロセッサーが動作中に積極的に使用するデータを一時的に保存するのに適しています。RAMの揮発性は迅速なデータアクセスと操作を可能にする一方で、保存された情報を維持するには継続的な電力供給が必要であり、電源を切るとRAMの内容は消去されます。ROMはRAMが登場する前のメモリで、初期のコンピューターシステムで、システムの起動に必要な基本的指示やファームウェアを保存するために使われた、最も初期のメモリ形態のひとつです。その後に登場したRAMは、コンピューターの動作中にプロセッサーが積極的に処理するデータに使用できる、高速で揮発性のストレージを提供するソリューションです。RAMはデータの読み書きの両方を可能にし、電源を切ると失われる情報にダイナミックかつ迅速にアクセスできるようにします。
RAMのアップグレードが必要かどうかを確認する方法
ゲーマーや設計者にとっても、パソコンの高速化を求めるユーザーにとっても、RAMのアップグレードはシステムのパフォーマンスを向上させるシンプルで簡単な方法です。お使いのコンピューターに適したメモリを判断するには、Crucial® System Selectorやアップグレードセレクターをご利用いただけます。これらは、お使いのコンピューターと互換性のあるメモリモジュールを調べるのに役立つツールで、必要な転送速度と予算に合った選択肢をご覧いただけます。
よくある質問
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