メモリランクとは
ランクとは、メモリ業界の標準化団体JEDEC(電子デバイス技術合同協議会)が策定した用語であり、モジュールのメモリバンク数とコンポーネント(メモリチップ)のメモリバンク数を区別する概念です。メモリランクの概念はメモリモジュールのすべてのフォームファクタに適用されますが、一般には管理するメモリ容量が大きいことから、主にサーバープラットフォームにおいて重視される傾向があります。
メモリランクはモジュール上のメモリチップの一部または全部を使用して作成されたブロック(データ領域)です。ランクは64ビット幅のデータブロックです。エラー訂正コード(ECC)をサポートするシステムでは8ビットが追加され、データブロックは72ビット幅になります。メモリモジュールの仕組みに応じて、64ビット幅のデータ領域(ECCモジュールの場合は72ビット幅)の1、2、または4ブロックが割り当てられる場合があります。このブロックはシングルランク、デュアルランク、およびクアッドランクと呼ばれます。Crucialでは、これをモジュールラベルに1Rx4、2Rx4、2Rx8のように表記します。
x4およびx8はメモリコンポーネント(チップ)のバンク数を示します。完成品モジュールのランクは、PCB上のメモリチップの数ではなく、このバンク数によって判別されます。つまり、PCBの両面にチップが搭載されたモジュールはデュアルサイドとなりますが、その場合でもチップのしくみに応じてシングルランク、デュアルランク、またはクアッドランクになることがあります。
1ランクは64または72ビットなので、x4チップで構成されたECCモジュールでは1シングルランクに対して18個のチップが必要です(18 x 4 = 72)。x8チップで構成されたECCモジュールでは、1ランクに必要なチップ数は9個です(9 x 8 = 72)。18個のx8チップで構成されたモジュールはデュアルランクになります(18 x 8 = 144、144/72 = 2)。x8チップをこの2倍搭載したECCモジュールはクアッドランクになります(36 x 8 = 288、288/72 = 4)。
デュアルまたはクアッドランクのモジュールは、2または4個のDRAMモジュールを1個のモジュールに統合することと同じです。たとえば、シングルランクの4GB RDIMMモジュール4個からクアッドランクの16GB RDIMMモジュール1個に直ちに変更できます(システムが16GB RDIMMに対応している場合)。
高ランクのモジュールの難点は、サーバーが対応できるランク数に制限が存在する場合があるということです。たとえば、メモリスロットが4個のサーバーは合計8ランクまでに制限される場合があります。そのため、シングルランクのモジュールまたはデュアルランクのモジュールは4個取り付けることが可能でも、クアッドランクモジュールは2個しか取り付けることができません。それ以上取り付けると対応可能なランク数を超えてしまうためです。
ランクとその制限については、メーカーのマニュアルを参照して個別のシステムに適用されるガイドラインや指示に従うことをお勧めします。ランクとシステムに関する一般的な追加情報はこちらをご覧ください。
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