期待したUSB転送速度が得られない

USB（またはThunderbolt™）の性能が、接続されたデバイスから公表されている速度よりも遅い場合は、いくつかの要因が考えられます。外付けエンクロージャまたは外部アダプターで使用されているポータブルSSD、USBフラッシュドライブ、SSDなどのデバイスが影響している可能性があります。以下では、これらの要因のいくつかについて、エンドユーザーが簡単に対処でき、接続しているハードウェアの性能をすぐに向上させることができるソリューションをご紹介します。 

システムまたはマザーボードで複数の規格が採用されている場合があります。最大限の性能を得るには、システムまたはマザーボードのドキュメントを参照して、最速の規格のポート確認し、そのポートにストレージデバイスを接続してください。古い規格の場合、その規格の対応範囲に性能が制限されます。下記の表に、ストレージデバイスのUSB規格と、接続デバイスの理論上の最高速度をまとめました。

注：これらの転送プロトコルでは電力オーバーヘッドが発生します。上記の速度は理論上の数字であり、実際はオーバーヘッドによりこれらの速度には到達しません。

前述したように、古いUSB規格ではSSDの性能が制限されます。ポート以外に、エンクロージャやその他のアダプターがこの転送速度のボトルネックになる可能性もあります。エンクロージャやケーブルの仕様を確認して、目的の速度で動作する規格に準拠していることを確認してください。

同じコントローラに複数のUSBデバイスを接続すると、同時に負荷がかかったときにデバイス間で速度が分割されます。このように関連しているポートは一目ではわかりにくい場合がありますが、通常はシステムまたはマザーボード上で互いに隣接しています。USBハブを介してシステム上の単一のUSBポートに接続されたデバイスも同様に影響を受けます。
電力も、同じコントローラ上のポートに接続された複数のデバイス間で分割される場合があります。これによる速度への直接的な影響はありませんが、複数のデバイスの接続により他のデバイスの動作に必要な電力が減少し始めると、デバイスが機能しなくなる、オペレーティングシステム（OS）やその他のアプリケーションから認識されなくなるなど、デバイスの性能に異常が見られる場合があります。 

最新のOSはデフォルトでUSB 3規格をサポートしていますが、Windows 7以前を含むレガシーOSでは、接続されているデバイスが正常に動作するためにはUSB 3ドライバーをダウンロードしてインストールする必要があります。OSの更新プロセスによってこの処理が自動的に行われない場合は、システムまたはマザーボードのメーカーのウェブサイトにアクセスし、USBコントローラ用のドライバーを見つけてインストールして、USB 3デバイスとの完全な互換性を確保してください。
必須ではありませんが、これらのメーカーのドライバーを使用すると、USB 3をネイティブサポートしているOSでもUSBデバイスの性能が向上する可能性があります。OSのデフォルトのUSB 3ドライバーは、ハードウェアのメーカーが提供するドライバーよりも速度が遅い場合があります。